クロコダイルレザーショップ ガウディ店長・南澤健一が語る
【本物のクロコダイル革財布の選び方・楽しみ方】

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クロコダイル財布の価格の見きわめ方

使用する革(種類やグレードによる)の価格や仕様の違い

クロコダイル革に限らず全ての皮革製品に使用する革には等級(グレード)があります。ここではクロコダイル財布に用いられるクロコダイル革の種類や革のグレードと製品価格の関係、そして製造背景や工程が価格にどのような影響を及ぼしているか、ご説明したいと思います。

スモール(ポロサス)は何故高い!?

私は20代前半の頃、関連会社「堀内貿易」の命でクロコダイル皮の産地の状況を勉強するために有名な産地であるパプアニューギニアに滞在していました。

当時は野生のワニが主流で、川や沼に生息する「ラージクロコ」が中心でしたが、ごく稀に淡水に生息している「スモールクロコ」も紛れ込んでいました。

このように野生主流の時代から「スモールクロコ」は絶対量が少なく、それだけ稀少性が高かったのですが、その後腑柄の綺麗さから世界的なスーパーブランドが取り扱い、さらに買い占めをはじめたことで、クロコダイル革における絶対的な地位を確立しました。

スモールでもいろいろ?

現在養殖が進んだスモールクロコであってもやはり等級(グレード)は存在します。製品の実体以上にブランド価値の高いスーパーブランドではキズのまったくない1級革のみを使用し、他のブランドがその残った革を使用するという構図まで出来上がってしまいました。一時あまりにも余り過ぎてしまったために、東南アジア諸国などに大量に安く輸出されたり、挙げ句の果に大量に焼却されてしまったりと大問題になったほどでした。

現在はかなり落ち着いてきたとは言うものの、依然として東南アジアなどへの輸出は続いていて、低等級の革で大量に製品を作るという大きな流れは止みそうもありません。

低価格品のキーワードは「大きな革と工場生産」

何を隠そうガウディブランド創設前、問屋さん向けにクロコダイル革製のバッグ、財布、靴などの卸売りを手掛けていた時期がありました。今でもその業に携わっていれば同じことをしていると思いますが、問屋さんへの納品価格が抑えられているいるために、いかにコストを下げるか日々頭を悩ませたことを今でもよく覚えています。

皮革の王様とも言われるクロコダイル革は、他の皮革製品とくらべて製品の原価に占める革の割合が抜群に高く、7〜8割がクロコダイル革代と言っても過言ではありません。
まずはそこをいかに節約するのか?

そこで業界人であれば誰しもが考えるのが、できるだけ大きな革を使ってたくさん作ることです。そして低等級の革でキズなどを避けて取れればさらにコストが抑えられます。

次に製品をたくさん製造することによって得られる”数のメリット”。仕事柄とある国でクロコダイル革財布の生産現場を見たことがありますが衝撃的でした。本来牛革財布を製造する規模のわりと大きな工場で分業制の流れ作業で革の裁断から縫製、仕上げを経て、クロコダイル革財布が続々と仕上がっていくのを目の当たりにしたからです。このように大きな革を使用して大量に作っている製品はインターネットやテレビ通販など今でもたくさん存在しています。

”高級クロコダイル革”と表示されていても安いものは安いなりの理由があるということを知っておいて頂きたいと思います。

良質なクロコダイル革、財布の見分け方

私たちの「クロコダイル革製品」鑑定サービスご利用で「本物に近いフェイク」として型押しの次に多く見受けられるのが「顔料仕上げ」の製品です。

顔料とはつまりお化粧のことで、革のキズや擦れなどの粗を隠してしまうことができます。
「う~ん 本物には違いないけどどうしてこう透明感がないんだろう!?」と感じるものはほぼ間違いなく顔料を吹き付けてある革です。

前述したように大量生産品は低等級の大きな革を使用しますが、さらにお化粧を施して1級の革に見せかけることで、よりたくさん作ることができます。

まとめ

スーパーブランドは手が出ないほど高い、量産品は安いけどそれなり、そしてまた売れれば何でも扱うというにわかクロコダイルブランドも多数存在することで「クロコダイルの財布はいったいいくらが適正なの?」と疑問を感じる方が多いかと思います。

大事なのはクロコダイル革に対する知識やこだわり、愛情がどこまで感じられるか、生産背景はどうなっているかなど 事前にできるだけ知る必要があると思います。

そして何より大切なことはご自分自身で革や財布の実物を確認すること。

良質なクロコダイル財布ほど、革選びからはじまり、型入れ、グレージング仕上げであれば「ボンベ加工」など疎かにできない工程がたくさんあります。量産品では味わえない伝統職人さんの技術と想いを感じて頂けたら嬉しいです。

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