宝石の鑑定にはこだわる方が、なぜ皮革の宝石と言われるクロコダイルの真贋には無関心なのでしょうか。
クロコファンショップ「ガウディ」店長のクロコダイルを買う前にぜひ読んでほしいメッセージ
あなたにとってクロコダイルとはどのような存在でしょうか?
ずっと好きでバッグ、財布、ベルトなど既に色々お持ちで身近にお感じの方、
いつかは欲しいと憧れをお持ちの方、
別に好きでもないし何か買ったらたまたまワニ革が使われていたという程度の方、
動物の皮だから苦手或いは可哀相と思う方、
人それぞれですね。
はじめまして。クロコファンショップGAUDIE 店長の南澤健一です。
かく言う私も親会社であるクロコダイル革専門商社に入社するまでは存在そのものを意識したこともなかったですし、ましてやクロコダイルに憧れて入社したわけではありませんでした。
入社後塩まみれになりながら、輸入されたワニ原皮の検品仕分けの手伝いをしたり、社員教育の一貫として滞在させて頂いたパプアニューギニアでワニ皮やそれにかかわる人々のさまざな人間模様を目の当たりにして、そこには自分が想像もしなかったとても奥の深い世界があることを知りました。
そして若輩ながら「ガウディ」というブランドを創り、ホームページを通じて色々な方々とお話をさせていだだき、自分自身も種々の経験や年齢を重ねていくごとにクロコダイルの奥の深さに迫ることができてきたように思います。
それは決して見た目の派手さやゴージャスさということではありません。
クロコダイルが醸す言い知れぬ表情(模様、柄)には、それを持つにふさわしい方々にしかわかり得ない何かがあるのです。
漠然とした話になりましたが、私自身それを追い求める旅をこれからも続けていくつもりです。

私どもの業界には『エキゾチックスキンの基礎知識』という専門書もありますが、かねてよりもっとわかりやすく親しみやすく自分の言葉で皆様にご説明できる機会はないかとを待っておりました。
クロコダイルというある意味では特殊な素材を身近なものに感じて頂きたいのです。
なにぶん私は物書きではありませんので、読みにくいところも多々あるかと存知ますが、お許しください。
お一人でも多くの方々とクロコダイルの良さを共有させて頂けることを心から願いながら一生懸命書き記していきたいと思っております。
今回はクロコダイルの基本的な知識として主に革の視点からお話し致します。
あなたは、ワニ革=クロコダイル、だと思っていませんか。
偽物をはびこらせる誤解とは・・・
私は学者ではありませんので、動物学的にご説明することは出来ませんが、普通の一消費者の立場から自分の持っているバッグや財布に使われているワニ革らしきものが、いったい何なのか、本物のワニ革だとすればどのくらいの価値があるのか、知りたいという素朴な疑問の少しでも手助けになれればと思い、ご説明致します。
大前提として
ワニ革全てイコールクロコダイルではありません。
クロコダイルとは、実際は4種類しか存在しないのです。
- スモールクロコダイル
- ラージクロコダイル
- ナイルクロコダイル
- シャムワニ
ポイントはアリゲーターとかカイマンと言われる種類は、実はクロコダイルではないという点です。
クロコ或いはクロコダイルという言葉の響きから高級なものというイメージが連想され、それを利用して本当はクロコダイルでないものまでクロコダイルと偽って商品を販売するケースも事実多いので、まずは、その認識をはっきり持って頂きたいのです。
今回はアリゲーターやカイマンなどクロコダイル以外の種類は割愛させて頂きます。
あなたがお持ちのクロコダイルの種類をご存じですか。
クロコダイルの特徴をおさらいしましょう。
それぞれの種類の特徴をなるべくわかりやすくご説明するつもりです。
但しバッグなど製品になったもののワニ革を見分けることは、その製品の大きさの関係でわかりにくいものです。
もし皆様の中でご自分のお持ちの製品に使われている革の種類は何かお知りになりたい方は、私の方にご遠慮なくご相談ください。
わかる範囲でお答え致します。
1.スモールクロコダイル(イリエワニ) 学術名:Crocodylus porosus
特徴:ワニ革の中でも最高級品と言われています。
細かい長方形の鱗が綺麗に揃っていてお腹の顎から肛門にかけて、鱗の横列の数が約31〜35列あります。
お詳しいかたならポロソスという吊称でお解かりかと思います。
単純に鱗の並びが細かく綺麗なため、高級なバッグに使われています。
2.ラージクロコダイル(ニューギニアワニ) 学術名:Crocodylus novaeguineae
特徴:日本で一番古くから使われています。
鱗の大きさがスモールクロコダイルより大きくお腹の顎から肛門にかけて、鱗の横列の数が約24〜32列あります。
私のニューギニア日記のパプアニューギニアに生息する種類です。
現地ではなくてはならない貴重な輸出商品になっています。
3.ナイルクロコダイル 学術名:Crocodylus niloticus
特徴:スモールクロコ、ラージクロコ同様高級品に使われています。
横腹の鱗は丸みのある長方形になっています。
私どもガウディでは一番多くの商品に使用しております。
吊前からもおわかりの様にアフリカに生息しています。
4.シャムワニ 学術名:Crocodylus siamensis
特徴:人気のあるワニ革の一つです。
横腹の部分の鱗は丸みのある形状をしている
日本から近いタイから輸出されており、これからどんどん増えてくるかと思います。

ネットショップGAUDIE
店長 南澤健一
■プロフィール
日本屈指のクロコダイル皮革の輸入元である堀内貿易株式会社入社後、クロコダイルの原産地であるパプアニューギニアに赴任。貴重な体験を積み、クロコダイルの本質的な価値を掴む。
平成8年、堀内貿易の子会社として有限会社フューチャーを設立。堀内貿易の特別なサポートによって長い間の夢であった年齢、性別を超えて付加価値の高い商品の提供を実現する。
お客様に喜んで頂ける物作りをしたいというマインドを大切にしている。
クロコダイルの本当の価値はどこにあるのか。
重要なカギを握る工程にご注目ください。
よくネットでお知り合いになったお客様から昔買った財布のワニ革の価値がどのくらいあるのか見て欲しいと言われます。
もちろんスモールクロコダイルの様にそもそもクロコダイルの中でもより希少価値の高い革もありますが、それと同等かむしろ大切なのは皮から革へ進化させる鞣し、染色の技術なのです。
お寿司屋さんでも鮮度の高いネタと熟練した板前さんの技術の組み合わせで絶品なにぎりが出来上がる筈です。
素人がにぎったのでは、せっかくの新鮮なネタが台無しです。
クロコダイルも鮮度の良い皮と熟練した加工技術が合わさってより付加価値の高い革が出来上がります。
極端な言い方かもしれませんが、種類そのものよりも原皮の段階から素晴らしい素材(革)を作り上げようとする人々の熱い気持ちが重要なのではないかと思います。
また鮮度の高い高品質な原皮を安定的に確保することや世界にも誇れる鞣し、染色の技術は短期間で簡単に出来るこではなく長い年月をかけて培ったルートとノウハウの蓄積によって出来上がったものなのです。
気になる価格、メンテナンス、デザイン・・・
クロコダイルをもっと楽しむためのQ&A
ここでは、実際インターネットを通じて知り合ったお客様からお聞きしたお話や弊社の製品卸先のお客様からのご質問やクレームにどのように応対したのかを通じて、よりクロコダイルの理解を深めて頂けるお役に立てればと思います。
クロコダイル製品の値段は安いものから高いものまでいろいろですが、どうしてですか?

圧倒的に多いのがこの質問です。
まずブランド力のあるスーパーブランドは例外として、例えば私どもの商品の価格を下げるためにはどうすればいいかを具体的に考えてみました。
方法(1) 製品の流通経路をカットする。(問屋を挟まない)
方法(2) ワニ革代を安くする。
方法(3) 製品加工賃を安くする
方法(4) 同じものを大量に作る(方法(3)と重なります。)
お答え:
(1)インターネットを通じてお客様(消費者)の方々に直接販売させて頂いております。
(2)日本一のクロコダイル商社である親会社からの革供給により良質なクロコダイルをどこよりも安く仕入れております。またお作りする製品によって使う革の部分を指定しますのでワニ革であればどこでもいいという考え方はしません。
(3)心を込めて丁寧に作って頂ける職人さんにしか頼みませんし、そういう職人さんはそもそも大量に同じ物を製作することに向いていないのです。
まとめ:こんなご時世ですからそれぞれの企業が創意工夫して価格を下げる努力をすることはもちろんですが、していいこと、出来ることはよくわきまえてやるべきではないでしょうか。そういう意味では他社と比べて極端に安いなと感じる商品は注意された方がいいかと考えます。
クロコダイル革はよく丈夫で長持ちするとか聞きますが、どのくらい長持ちするのですか?

まず丁寧にお使い頂くことが大前提ですが、革製品全般と比較しても基本的には同じように丈夫で長持ちします。
以前お取引先の通販であった事例ですが、クレームとして弊社の方に戻ってきた2つ折財布ですが、よく見てみると乱暴にお尻のポケットから何度も何度も出し入れされた形跡があり、そのため財布の表面が傷んでおり、元に戻して欲しいとのことでした。結論としては修復上可能で丁寧にご説明して紊得頂きました。
クロコダイル製品に拘わらず革製品を長持ちさせるには、長期間毎日使うのではなく、たまには少し休ませてお手入れするくらいのお気持ちを持って頂きたいものです。
クロコダイル革特別のお手入れ方法についてもよく聞かれますが、まず汚れを早めに取り除くこと、柔らかい布で乾拭きすることをお勧めします。
特に水分には弱いので雨に濡れたときは、早めに乾拭きし、乾燥させてください。
クロコダイル製品でも若い人向けの商品はないのですか?

まずクロコダイルイコール高額品というイメージが定着していることと実際他の革製品と比べると価格が高いので、ある程度お金をお持ちの方(年長者)しか購入できないという前提で製品が作られてきました。
最終章でふれさせて頂きましたが、他の革製品と同様な価格帯に簡単には出来ませんが、私どもでは少しでもセンスの良い商品企画と可能な限りの低価格化に努力して、お若い方にも愛用して頂ける商品作りをしていきます。
グレージング(シャイニング)仕上げとマット仕上げどっちがいいですか?

これもよくある質問です。それぞれの特徴とメリット、デメリットがあります。
まず見た目の高級感という点ではグレージング(シャイニング)仕上げの方が断然ありますが、その分気軽に持てるカジュアル感という面ではマット仕上げの方がありますね。
やはり昔からワニ革はピカピカしたものと思い込んでおられる方が大半かと思いますし、入門編がグレージング2つ目からはマットというお客様も多くいらっしゃいます。
前頁で申し上げました丈夫さですが、丁寧にお使いになればどちらの仕上げでも同じですが、もしラフな感じで毎日お気軽にお使いになるおつもりでしたらマットがお勧めです。
余談ですが最近では藍染など特殊な仕上げを行っているところもありますし、親会社では時代に合わせたエコ仕上げ等も開発しております。
クロコダイル革はどんなカラーでも作れるのですか?


結論から申し上げますとどんなカラーでも染色することは出来ます。
但し牛革でも同じですが、希望するカラーに染色するためには、一定の枚数が必要です。
サイズによりますが、最低30枚以上は、必要になり、牛革に比べるとかなりの高額になりますので、簡単にはたくさんのカラーを作れませんが、革屋の立場から考えると一色でたくさんの枚数を染めた方が商売の効率がいいのです。
そこで私たちガウディでは、定番カラーを決め常時グレージングで10色以上マットで5色程度ご用意し、いつでも製品に出来るようにしております。
また必要に応じて随時新しいカラーも開発するようにしております。
「皮」から「革」へ
驚くほど細分化された
工程があります。
塩漬けされた原皮が完成革になるまでには、おおよそ50?60日かかります。
天然の原皮はその保存状態や鮮度によって1枚1枚違うものですので、鞣し、染色行程では、どのような皮にも対応できる長年の経験や高度な技術力や感性が必要になります。
- ■原皮
- 塩漬け状態で空輸
- ■水漬
- 原皮の状態に戻す
- ■裏打
- 皮の裏面の肉片や脂肪を取り除く
- ■石灰漬
- 繊維をほぐして表面の鱗などを取り除く
- ■脱灰
- 石灰漬の石灰を取り除く
- ■浸酸
- 鞣し剤が浸透するように酸性度を調整する
- ■クロム鞣し
- 皮が腐らないように鞣す
- ■シェービング
- 革の厚さを一定にする
- ■再鞣し
- 耐久性を強くする
- ■染色
- 染料により染める
- ■加脂
- 革を柔軟にする
- ■乾燥
- 加脂剤を固着させる
- ■艶塗り
- 革の銀面に艶剤を塗る
- ■乾燥
- 艶剤を固着させる
- ■仕上げ
クロコダイルの本当の価値を知っていただくために、
最後にお伝えしたいこと。
■クロコダイルと製品との関係
よく巷でどの種類のクロコが価値があるとか言われますが、もちろんどんなものでも少ないものは奪い合いになり希少価値が高くなりますが、私が考える重要なことは、製品にとって一番適している革はどれかということです。
どんなに革が素晴らしくても製品と合わなければせっかくの革も台無しです。
ですから革そのものが重要なのではなく、作り手が慎重に吟味して素材を選ぶからこそ、その素材が生きてくるのです。
■スーパーブランドとクロコダイル
バブル全盛時代を中心に現在にいたるまで、クロコダイルとスーパーブランド製品は、密接な関係にあります。
言うまでもなくスーパーブランドはそのブランドの付加価値が高く、クロコダイルはその付加価値をよりいっそう高めるための重要な素材でありましたし、今後もそうあり続ける筈だと考えます。
ただ逆説的に申し上げると、あまりにもブランドの付加価値が必要以上に高すぎて、クロコダイルそのものには、それほど興味のない方々(うわべのゴージャス感を好む)もお持ちになってることも事実ですので、その意味では残念なことです。
別にクロコダイルが主人公なるべきだとまでは申し上げるつもりはありませんが、もう少しでもいいからその立場(存在感)を認めて欲しいと素朴に考えます。
■ガウディの物作りの考え方
ガウディブランドは知名度はまだまだですが、有名ブランドに劣らない品質を実現していると評価されております。
そのバックボーンには作り手(職人、工場)もお客様と同じくらい大切、という考え方があります。
それは、上景気だからと言ってこちら側の一方的な条件(工賃、納期)で半ば強引に商品を作らせたり、本来技術的、条件的に不可能なのに無理やり作らせたり、ということだけは致しません。
それをすると必ず商品に跳ね返り最終的にはお客様にご迷惑をおかけすることになるからです。
ですからお客様にも職人にもなるべく正直に誠意をもってお話をするようにしています。
私どもの方に商品を見に来て頂いたお客様には、必ず製品に加工する前の革をお見せすることにしております。
私自身は20年くらい前から毎日の様に嫌という程見ていていましたが、一般の方々からするとワニ革自体を見れることなんて有り得ませんので何人かのお客様からは感激したとのお言葉を頂きました。
ガウディは革と商品作りについてお客様に隠しません。
また物作りにおいては、出来ないものは出来ないと正直にお答えすることによって作り手とお客様を守り、末永い物作りをしていきたいと考えております。
今回は私自身初めての試みとしてクロコダイルについて文章を書きましたので、どこまでおわかり頂けたか心配しております。
またどうしてもガウディの宣伝のようなことも申し上げてしまったことは反省もしております。
これからも皆様がどんなことをお知りになりたいか自分なりによく考えて次回はより良い知識をお披露目できればと考えております。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
いつかお目にかかれる日を楽しみにしております。
ネットショップGAUDIE
店長 南澤健一


メンズGENTS GAUDIE、レディースJENS GAUDIEともどこよりも安定した革の供給を背景に、敢えてクロコダイルの新しい魅力を作り出した贅沢で成熟した大人のためのブランド。
JENS GAUDIE
クラシカルな上品さをベースに、流行にとらわれない知的でフェミニンな雰囲気。クロコダイルという高級素材の新しい魅力を引き出す、繊細なカラーにこだわりました。自分に合った贅沢の楽しみ方を知る、成熟した大人の女性にご提案します。
GENTS GAUDIE
フェアな精神性が伝わる、クラシックで品格のある物たちを、クロコダイルというエキセントリックで高級なマテリアルで仕立て上げました。そこには贅沢に洗練された新しい世界が広がります。

平成8年1月、堀内貿易株式会社の革製品販売の子会社として主に革靴輸入販売を目的として設立されました。現在では、ワニ、オーストリッチ製婦人靴、及び同ハンドバッグなどの製品を販売するとともに、生産拠点を中国に移し、アパレルメーカーを中心としたOEM事業を主たる業務内容としております。